バイマッハのレナードはどんな会社? 倒産の噂とは?
画像引用元:https://bymach-pro.site/
業務用脱毛機について調べていると、いくつかの有名メーカーが候補にあがるかと思います。たとえばルネッサンスのコンフォートジャパン、LUMIXのエストラボ、クリアSPのNBS、そしてバイマッハのレナードです。
業務用脱毛機はスペックだけでなくメーカーの信頼性や社風、サポート体制も非常に重要です。なぜならば脱毛機は精密機械であり脱毛のスキルは専門性が高いため、導入後も継続的なサポートが必要だからです。そこで今回は有名脱毛機メーカーの中から「レナード」を取り上げます。レナードの脱毛機を検討している方、レナードがどんな会社なのか気になる方はぜひ参考にしてくださいね。
レナード株式会社は脱毛機「バイマッハ」を中心に販売する美容機器メーカー
レナードは業務用脱毛機「バイマッハ」のヒットによって規模を拡大してきた会社です。まずはレナードが取り扱っている美容機器を確認しておきましょう。基本的にレナードの取り扱い美容機器は4種類。種類はそれほど多くはありませんが、サロン経営における最低限の美容機器は購入できそうですね。
業務用脱毛機「バイマッハシリーズ」
レナードの主力商品は業務用脱毛機です。バイマッハシリーズのラインナップはこちら。いずれもSHR方式の脱毛機です。
・BYMACH PRO(バイマッハプロ)
・BYMACH mini(バイマッハミニ)
「イオン導入脱毛」という特許取得技術が導入された脱毛機で、全国に累計2000台ほど出荷されているといわれています。複数の美容ポータルサイトでバイマッハを導入していると記載してあるサロンをカウントしたところ500店舗が確認できました。
ただし脱毛機自体に知名度がそれほど高くないため、すべてのサロンが脱毛機を全面に出して集客しているわけではありません。実際の導入台数は500台を超えていると推測できます。
2種類の痩身マシン
レナードでは以下の2種類の痩身マシンも取り扱っています。選択肢が少ない分、「どれを選んだらよいのかわからない」と悩まずにすみます。
el-fino(エルフィーノ)
エルフィーノは超音波・ラジオ波・キャビテーション・脂肪吸引の4つの機能を持つ痩身マシンです。多くの痩身サロンで昔から愛用されている基本的な機能が組み込まれています。
MAGNEAT(マグニート)
マグニートは電磁パルスを用いた痩身マシンです。15分で腹筋1万回分の運動量を実現するとのこと。競合他社の電磁パルス痩身マシンは15分で2万5000回の腹筋と同等の運動量のものもありますので、マグニートのパワーは少し控えめですね!
サロン専売化粧品
レナードでは「Dr.Reve」というサロン専売化粧品を販売中です。ライン展開は1つだけですので、迷わずに選べる点が嬉しいですね。
レナードはコンサル×脱毛機販売が強み! その中身とは?
レナードは脱毛機を購入した方に向けてサロン経営のコンサルを実施していることを強みとしています。レナードではどのようなコンサルティングを提供しているのでしょうか。コンサルの内容を確認してみましょう。
フルサポートは有料で最大200万円+利益の50%
レナードのコンサルティングサービスは無料から200万円までの5パターンが用意されています。無料プランで受けられるサービスは以下の通りです。
・成功サロン実践塾の無料版
・過去のセミナー動画視聴
・成功サロンメルマガ
・エステ運営診断
・年間取り組みサポート
・オーナーズクラブ交流会(年1回実施)
無料プランでは、他の脱毛機メーカーが実施しているサービスと同等のコンサルサービスが受けられそうですね。年に1回実施されるオーナーズクラブ交流会は、他のメーカーでは実施しておらずレナード独自の取り組みといえます。他の脱毛サロンやエステサロンさんと定期的に交流したい方にとっては嬉しい特典ですね。
ちなみにフルサポートのコースは年間200万円プラス利益の50%をレナード社に支払うことができるプレミアムなコースです。サロン運営に関するすべてをお任せできるとのことですが、人員の手配や消耗品の発注、施術なども含めてどこまで対応していただけるのかは不明です。
レナードが定期的に実施している「絶対成功サロン経営塾」とは?
レナードはサロン経営を成功に導く「絶対成功サロン経営塾」を開催しています。レナードのマシンを導入していないサロン向けのセミナーで参加費は無料。毎月定期的に実施されていたようです。残念ながら2023年10月11日を最後に11月以降の実施は未定とのこと。
セミナーページのお知らせも10月11日で途絶えており、セミナー専用のLINEアカウントに連絡を取ってみると「今後の開催は未定」との自動応答メッセージが流れるのみでした。
レナードのコンサルのノウハウは直営サロンの経営で培っているらしい
レナードはコンサルティングに力を入れている美容メーカーです。なぜ美容メーカーがサロン経営のコンサルティングを提供できるのでしょうか。その秘密を探っていきたいと思います。
レナードが運営する脱毛サロン「都度払い専門脱毛サロンミライ&メンズミライ」の現状
レナードは都度払い専門の脱毛サロン「ミライ」を運営しています。株式会社ミライがミライの運営会社ですが、こちらはレナードのグループ会社です。
個人サロンさまにサロン経営のノウハウを教えているということは、直営サロンの経営に成功しているということ。ということで、ミライの運営状況をチェックしてみましょう。
2023年10月末現在、ミライの店舗数は全国で6店舗。そのうち5店舗が沖縄県に集中しています。東京都は新宿店のみです。しかし2022年5月28日の時点で東京都に3店舗、大阪府に1店舗と合計9店舗が展開されていました。
2023年5月28日時点の店舗 | 2023年10月31日時点の店舗 |
渋谷店 | 新宿店 |
新宿店 | 名護店 |
池袋西口店 | 小禄店 |
心斎橋店 | 新都心本店 |
名護店 | 北谷アメリカンビレッジ店 |
小禄店 | 沖縄市泡瀬店 |
新都心本店 | |
北谷アメリカンビレッジ店 | |
沖縄市泡瀬店 |
※ミライ公式サイトより
2022年はコロナも落ち着き始めていたころですが、美容業界で経営不振が多発していた時期。多彩な経営ノウハウを持つレナードのサロンも撤退を余儀なくされたのでしょう。
痩身マシン「マグニート」で痩せる「VRトレーニングエクスライブ 銀座店」
レナードの痩身マシン「マグニート」を使用した痩身サロン「VRトレーニング エクスライブ 銀座店」もレナードが運営するサロンです。こちらのサロンはホットペッパービューティーへの登録がないため、現在の稼働状況は定かではありません。
ただ、店舗は現在も存在している様子です。Instagramの公式アカウントの更新は2023年3月31日で停止しています。Googleマップの口コミの投稿は2023年9月に「勧誘が熱心すぎる」との意見が投稿されて以降ゼロの状態です。9月の書き込みも4ヶ月ぶりの投稿でした。実際に効果が出るサロンであれば、もう少し喜びの声が投稿されていてもよいのですがオープン直後以外はポジティブな口コミは少ないようです。
レナードはサロン運営が得意ではない疑惑
ここまでレナードが運営する脱毛サロンと痩身サロンの現状を調査してきましたが、レナードはサロン運営のエキスパートとはいえないのでは? と推測できます。満を持してスタートした脱毛サロン事業ですが、2023年10月現在は半数近くの店舗を閉鎖しており、順風満帆とはいえません。
またマグニートを用いた「VRトレーニング エクスライブ 銀座店」は、多数のお客様が来店しているとは言えない状態です。
これらの情報を総合すると、他者に教えられるほど「絶対成功」のノウハウを有しているとは考えにくいでしょう。脱毛サロンの店舗数は減ってしまいましたし、痩身サロンは1店舗のみであり、その1店舗も盛況とはいえません。
レナードは倒産しない? レナード公式の情報をチェック
レナードは脱毛機業界では有名なメーカーのひとつです。しかし2023年に入ってから、各方面からレナード社の噂が流れてくるようになりました。おもに人材関係と資金繰り関係です。とはいえ、レナードの社員ではない限りこれらの情報の真偽を確かめることはできません。そこで、レナード社の公式サイトや公式SNS等、採用情報等の公になっている情報からレナードの状況を調べていきたいと思います。
レナード公式X(旧Twitter)の更新状況
レナードには「レナードグループ広報部【公式】業務用美容機器、化粧品ならレナードグループへ」というX(旧Twitter)の公式アカウントがあります。
https://twitter.com/LENARD_JP/
当該アカウントは2023年7月上旬までは定期的に更新されていたのですが、2023年7月11日を最後に更新が途絶えてしまいました。
レナード公式Instagramの更新状況
レナードの公式Instagramのアカウントはこちら。
https://www.instagram.com/lenard_group_official/
投稿は2023年5月1日を最後に途絶え、最後のリールは4月10日。ストーリーも投稿されていません。レナードの公式Instagramの担当者さんになにかあったのでは?と心配になってしまいます。
またレナードのインストラクターチームが運営するInstagramアカウントも2023年7月18日を最後に投稿が途切れています。
https://www.instagram.com/lenard_instructor/
他社のインストラクターのInstagramアカウントが、お客さまへのアフターフォロー、サポートのために頻繁に更新されている様子を比較すると対照的です。
レナード公式YouTubeチャンネルの更新状況
レナードには公式YouTubeチャンネル「レナード株式会社ch」が存在しています。2023年10月末現在、チャンネル登録者数474人、投稿動画は49本。1年前は頻繁に更新されていたようですが、2023年に投稿された動画は2023年9月25日の動画は1本のみです。
https://www.youtube.com/watch?v=FMYL6i3ei_A
レナード公式サイトのコラム
レナードの公式サイトにはコラムコーナーがあります。業務用脱毛機の選び方やエステサロンの開業準備等のお役立ち情報がまとめられている記事が19記事掲載されています。更新日時は2023年10月27日となっておりますが、以前から定期的に自動で記事の更新日時が変更される仕組みになっているようです。こちらは何度も日付だけが更新されているため、新しい記事が最後にアップロードされた日時は定かではありませんが、おそらく数ヶ月単位で更新が途絶えていると考えられます。
https://lenard.jp/column/aesthetic-salon-open/
レナード公式サイトのお知らせ欄の更新状況
レナード公式サイトのお知らせ欄もチェックしてみましょう。こちらの最終更新日は2023年10月27日となっており、内容は「ハンドピースの値上げのお知らせ」です。
バイマッハシリーズのハンドピースが税込242,000円、マグニートシリーズは440,000円とのこと。
また2023年8月14日にはカスタマーサポートセンターの電話番号およびFAX番号、メールアドレスの廃止がお知らせされています。今後はレナードの公式LINEアカウントで、購入を検討している方や既存顧客の対応を一括で対応するようです。
レナード公式LINEからのお知らせ
レナードの公式LINEアカウントは原則として、レナード製品の購入者のみが各種情報にアクセスできるようになっているようです。ところが2023年11月7日、LINEのお友だち全員に「ハンドピース修理工場の移転についてのお知らせ」が送付されました。
内容は「ハンドピースの修理先が『レナード埼玉工場』に変更になります」という業務連絡です。もともとのハンドピースの送付先は明らかではありません。
新しい送付先の住所をGoogleマップで確認をしたところ、マップ上には別の企業名が記載されていました。こちらは印刷会社だったようですが現在は廃業済みです。Googleストリートビューで当該住所を確認してみると空き地になっています。
ストリートビューの撮影履歴では、2021年10月の時点ではまだ印刷会社の工場と思われる建物が建っておりますので、2021年10月から2022年12月の間で取り壊されたようです。また2022年12月撮影のストリートビューを拡大すると「開発行為のお知らせに関する事項」の看板が掲示されていることが確認できます。
出典:Googleマップ
ストリートビューでは看板の文字まで読みとれませんが、レナードはこの場所に工場を建設したのかもしれません。ただし公式サイトの会社概要には「レナード埼玉工場」の記載はございません。ハンドピースの修理を委託している企業がこの地に新たな拠点を建築したのか、レナード社の新工場がここに建築されたのかは現時点では定かではありません。
レナード株式会社の求人情報
企業の経営状況をはかる指標のひとつに求人があります。経営状況が悪化している企業では、企業規模の割に多くの求人を出す、もしくはまったく求人を出さないのいずれかの状況に陥ります。
それを踏まえてレナードの求人情報を確認してみましょう。
・サロン運営、エステティシャンの求人件数:86件
・営業の求人件数:9件
・美容機器サポートエンジニア、メンテナンス担当:1件
・インストラクター:2件
・人事労務:1件
エステティシャンの求人件数の多さにびっくりしてしまうかもしれませんが、こちらは同じ求人が繰り返し出されているものです。求人サイトは古い情報よりも新しい情報のほうが求職者に好まれやすいため、企業は次々に同じ内容の新しい求人情報を掲載します。これらの情報からレナードでは恒常的なエステティシャン不足に悩まされていることがわかります。
ただし、レナードの正社員の人数は2023年9月時点では68名です。すでに働いている社員の人数と現在進行形で募集をかけている社員の人数を比較すると「人手不足が顕著だな」という印象は受けます。
レナードの展示会への出展状況の推移
レナード社はかねてより美容業界を対象とした展示会への出展に積極的でした。公式サイトで2018年以降の展示会出展状況を確認してみましょう。
BWJはビューティーワールドジャパンの略称です。
年月日 | 展示会名 | レナード出展の有無 |
2018年2月 | BWJ福岡 | 参加 |
2018年5月 | BWJ東京 | 参加 |
2018年9月 | ダイエット&ビューティーフェア | 参加 |
2018年10月 | BWJ大阪 | 参加 |
2019年2月 | BWJ福岡 | 不参加 |
2019年5月 | BWJ東京 | 参加 |
2019年9月 | ダイエット&ビューティーフェア | 不参加 |
2019年10月 | BWJ大阪 | 参加 |
2019年11月 | TOKYO NAIL EXPO 2019 | 参加 |
2020年1月 | COSME TOKYO 2020 | 参加 |
2021年 | 新型コロナウイルス感染症の拡大により各種イベント休止 | |
2022年2月 | BWJ福岡 | 不参加 |
2022年5月 | BWJ東京 | 参加 |
2022年10月 | BWJ大阪 | 不参加 |
2023年2月 | BWJ福岡 | 不参加 |
2023年5月 | BWJ東京 | 参加 |
2023年7月 | BWJ名古屋 | 不参加 |
2023年10月 | BWJ大阪 | 不参加 |
レナード社の展示会への参加状況を年別にまとめると以下の通りです。
年度 | 出展イベント数 |
2018年 | 4 |
2019年 | 3 |
2020年 | 1 |
2021年 | 0 |
2022年 | 1 |
2023年 | 1 |
イベントに出展するためにはブースの規模にもよりますが1000万円以上の経費がかかります。各メーカーは費用対効果を考慮した上で、出展の可否を検討します。
レナードは2018年、2019年は複数のイベントに出展していましたが、2020年・2021年のコロナによるイベント中止を経て、イベントへの出展数を大幅に減らしています。ほとんどの脱毛機メーカーが出展する美容業界のお祭りとも言えるBWJも年に一度出展するのみです。
結論:レナードの倒産の可能性は
最後に今回の情報を踏まえて、レナードが倒産する可能性について検証しておきます。
人材不足で困っている可能性は高い
レナードの公式サイトやSNS等は2023年10月末現在、公式サイトのお知らせ以外は更新が途絶えている状態です。とくにXとInstagramは長らく更新されていないため、担当者が退職した、もしくはアカウントを運営するリソースが足りていないと考えられます。
カスタマーサポートセンターの窓口がLINEに統合された理由もリソース不足ではないかと推測できます。求人情報によるとエステティシャンと営業職が恒常的に不足しているようです。
集中的にコストカットに取り組んでいる
また、公式サイトで発表されたハンドピースの値上げ、お問い合わせ窓口一本化のお知らせは資金繰りの悪化やコストカットを想像させる動きです。ハンドピースの値上げ自体は社会情勢を考慮すると業績悪化の証左とはいえません。しかしお問い合わせ窓口の一本化は人件費削減策のひとつと考えてよいでしょう。とくに今回の変更では電話やファックスが廃止され、LINEのみとなりましたので、電話対応をするためのオフィスへの常駐スタッフが不要となります。これは大幅な人件費削減に繋がると推定されます。
さらにレナードはビューティーワールドジャパンをはじめとする各種イベントへの出展を大幅に減らしています。コロナ前と比較すると1/4程度の出展数となってしまいました。
ハンドピースの値上げとお問い合せ窓口の一本化の時期、イベントへの出展控えを総合するとやはりレナード社の台所事情は芳しくないと考えてよいでしょう。
レナード埼玉工場への修理拠点の移転もスリム化策の一環か
2023年11月6日にレナードから発表された「ハンドピースの修理工場移転のお知らせ」も、ハンドピースの修理を外部の業者に委託している場合には業務のスリム化の一環といえます。ただ工場の現状が把握できないため、外部の業者にハンドピースの修理を委託したのか、自社工場を建築したのかの判断がつきません。自社工場を新たに建築したとなると、その資金が経営を圧迫する要因になり得ます。
結論:
レナードが経営危機に陥っているかどうかは、会社の外から知ることはできませんが、少なくとも公式SNSの運用まで手が回っていないこと、人手不足に悩んでいること、コストカットに取り組んでいることは確かです。
今すぐに経営が破綻するといったフェーズではないかもしれませんが、人員が不足している状態ではサポートが十分に受けられません。レナードの美容機器を購入するときは、サポート体制についてしっかりと確認をしておきましょう。
その際は以下の項目に着目すると、サポート体制の実体がわかりますよ。
・公式LINEでbot以外の返信があるかどうか
・電話にすぐに出るかどうか
LINEや電話のように、自動応対が難しい連絡手段でコミュニケーションを取ってみると会社の現状がある程度わかります。
人員が充実していればすぐに電話に出てくれますし応対は丁寧です。リソースが足りていなければ電話やLINEになかなか応答してもらえません。
レナードで脱毛機を買おうかなと悩んでいる方は、ぜひチェックしてみてくださいね!