光脱毛でムダ毛が抜ける仕組みとは?基本構造と5種の脱毛方法を解説

「光脱毛でムダ毛が抜ける仕組みって、どうなっているの?」
「同じ光脱毛でも、脱毛機によって毛が抜ける仕組みは違う?」

こんな疑問を持っていませんか?

光脱毛で毛が抜ける仕組み、そもそもよく知らない!という人も多いですよね。

この記事では、光脱毛の基本の仕組みと、脱毛サロンのおもな5種の脱毛施術について解説しています。

光脱毛の仕組みを理解することで、脱毛施術の経過や完了までにかかる期間などがわかるでしょう。

さらに、毛が抜けないときに考えられる理由や対策などについても解説しているので、ぜひ参考にしてください。

※2023年3月の情報です。

光脱毛で毛が抜ける基本の仕組み

光脱毛の説明を受ける男性の後ろ姿

光脱毛で毛が抜ける仕組みと特徴を、以下の4つに分けて解説します。

毛根部分の組織を弱らせて毛を減らす

光脱毛は、美用脱毛機の特殊な光を当てることによって毛根部分の特定の組織を弱らせて毛を抜く・減らします。

ターゲットとなる組織には、以下の種類があります。

  • 毛乳頭
  • バルジ領域
  • 毛包全体

脱毛機の光は、脱毛機によって波長やパルス幅が異なり、毛根の深い部分まで届くものや浅い部分にダメージを与えるものなど、さまざまです。

しかし、基本的な仕組みとして、毛が吸収しやすい波長の光を照射して毛根部分に熱を与え、組織にダメージを加えて減毛することは共通しています。

効果が実感できるのは施術から1~3週間後

光脱毛を受けてからムダ毛の変化が実感できるのは、施術後1~3週間です。

これは、光の照射によって毛根から離れたムダ毛が、皮膚から自然と押し出されるためです。

施術後すぐに、毛がポロポロ抜け落ちるというケースは少ないでしょう。

肌のターンオーバーには個人差があるため、施術から1週間後程度で変化がわかる人もいれば、なかなか実感できない人もいます。

また、仕組み自体は同じでも、使用する脱毛機のパワーによっても違いがあるでしょう。

脱毛完了までは18~20回の施術が必要

光脱毛は、完全にムダ毛が気にならなくなるまでに18~20回の施術が必要です。

医療レーザー脱毛に比べると、2~3倍の施術回数となります。

回数は多いですが、肌荒れや炎症などのリスクが低く、自然な変化をうながせるところがメリットです。

また、脱毛方法によっては1カ月1回ペースの施術をおこなえるため、肌をいたわりながら2~3カ月に1回ペースで施術する医療レーザー脱毛とは、脱毛期間自体はそれほど変わらないのが現状です。

光脱毛は永久脱毛ではない

脱毛サロンでおこなう光脱毛は、永久脱毛ではありません。

そもそも、日本国内において永久脱毛の定義はないため、AEA(米国電気脱毛協会)およびFDA(アメリカ食品医薬品局)が定める永久脱毛の基準にそって考えられている状態です。

上記の2機関における永久脱毛の定義は、以下のとおりです。

  • AEA…最後の脱毛施術から1カ月後のムダ毛の再生率が20%以下であること
  • FDA…3回の脱毛施術をおこなって6カ月後のムダ毛の減少率が67%以上であること

この基準に照らし合わせた場合、永久脱毛が可能といえるのは医療ニードル脱毛のみとなります。

光脱毛は永久脱毛ではなく、さらに医療レーザー脱毛も同じように、永久脱毛であると定義づけることはできません。

光脱毛の5種の脱毛方法を比較

1から5の数字が書かれたブロック

脱毛サロンで、おもにおこなわれる5つの脱毛方法を比較してみましょう。

IPL脱毛

IPL脱毛は、毛に含まれているメラニン色素が吸収しやすい光を出し、毛乳頭にダメージを与えて減毛する方法です。

同時に、皮膚に含まれるメラニン色素にも反応してしまうため、日焼け肌や色黒肌、ほくろなどに照射をすることはできません。

メラニン色素が含まれない白髪、産毛の脱毛も難しくなります。

しかし、成長期のムダ毛を抜いていくため見た目の変化がわかりやすく「脱毛している」という実感を持ちやすいというメリットもあります。

腕や脚、ワキなどの部分脱毛や、メンズ脱毛におすすめの方法です。

SHR脱毛

SHR脱毛は、低温で弱い光を連続して肌に当て、毛包全体に熱を蓄積させてダメージを与える仕組みになります。

高温の熱を与えないため施術時の痛みを感じづらく、ストレスが少ない脱毛が可能です。

強い熱を毛乳頭に直接与える仕組みではないため、ムダ毛の変化を実感しづらいところがデメリット。脱毛機のパワーによっては、剛毛の脱毛が難しいケースもあります。

現在では、弱い熱エネルギーで高い効果に期待ができるSHR脱毛機も開発され、IPL脱毛人気を上回る勢いでSHR脱毛サロンが増えています。

THR脱毛

THR脱毛は、弱い熱エネルギーを毛包に集め、肌に刺激を与えずにムダ毛だけにダメージを与える方法です。

SHR脱毛との違いは、赤外線に似た性質の光が混ざっているところです。皮膚になじみやすいため痛みが少なく、肌質改善にも期待ができます。

脱毛をしながら、肌のたるみやくすみにも働きかけてくれるため、幅広い年代の女性に人気があります。

一方、THR脱毛用の業務用脱毛機を販売しているのが現在1社しかない点がデメリット。比較対象がなく、複数機種から選択することができません。

SSCM

SSCMは、イタリアの医療機器メーカー「DEKA社」が開発した脱毛方法です。

脱毛施術に、抑毛成分が含まれた専用のジェルを使用し、ジェルの上からライトを照射する方法となります。

抑毛ジェルを皮膚に浸透させることで発毛をコントロールし、自然な減毛をうながします。

SSCM脱毛ができる機種は限られており、本体価格が比較的高額なところがデメリットといえるでしょう。

ハイパースキン脱毛

ハイパースキン脱毛は、国内で受けられる光脱毛の中で、もっとも痛みが少なく負担が低い脱毛方法です。

体温と同じ36~38℃の光を肌に当て、ムダ毛の発育を抑える仕組みになります。

キッズ脱毛や、痛みを感じやすいVIOパーツなどにおすすめの脱毛方法ですが、パワーが弱く、ムダ毛が抜けていく感覚を味わうことはできません。

機種が限定されてしまうところもデメリットのひとつといえます。

光脱毛で毛が抜けない理由と対策

解決策と書かれた木のブロックと虫眼鏡

光脱毛で毛が抜けない理由と対策を、以下の3つに分けて紹介します。

肌が乾燥している

光脱毛でムダ毛が抜けない・または抜けるのが遅い原因として、肌の乾燥があげられます。

乾燥した肌は毛が抜けづらく、うるおいのある肌の方が脱毛効果を得やすいからです。乾いた土の雑草がなかなか抜けず、湿度の高い土の雑草が簡単に抜けるのと似ています。

対策は、保湿です。

施術前後の保湿はもちろんのこと、脱毛期間中は普段から念入りな保湿を習慣にしなければなりません。

また、肌が乾燥しやすい冬季はとくに注意が必要です。保湿効果の高いジェルや美容液、肌の水分量をはかれるアイテムを導入するなど、いろいろ工夫してみましょう。

脱毛方法と施術間隔が合っていない

光脱毛は、脱毛方法によって施術間隔が異なります。おもな脱毛方法と施術間隔は、以下のとおりです。

  • IPL脱毛…毛の成長に合わせ、2~3カ月に1回
  • SHR脱毛…1カ月に1回
  • THR脱毛…1~2カ月に1回
  • SSCM…毛の成長に合わせ、2~3カ月に1回

施術間隔が合わないと、脱毛機の光の影響を受けられないムダ毛に何度も照射することになり、毛が抜けるパーツと抜けないパーツに分かれてしまいます。

現在、IPL脱毛とSHR脱毛の両機能が搭載された業務用脱毛機が増えているため、切り替えて施術をおこなう場合は施術間隔に注意しなければなりません。

脱毛機のパワーが弱い

肌の状態がよく、適切な施術間隔を守って脱毛を続けているのに毛が抜けない場合、使用している脱毛機に原因があるかもしれません。

現在は高速連射可能な業務用脱毛機がスタンダードになっていますが、パワーが強くないマシンで連射をすると光が弱くなり、ムダ毛にダメージを与えることができなくなってしまうのです。

スピーディな施術のために高速連射をするのであれば、連射をしてもパワーが落ちない業務用脱毛機の導入が必須となります。

脱毛機の購入・買い替えが難しい場合は、出力を調整するなど工夫をしてみましょう。

光脱毛の仕組みに関するQ&A

FAQの文字が書かれたブロック

光脱毛の仕組みに関するよくある質問を、3つ紹介します。

Q.光脱毛はどれくらいもつ?

A.光脱毛は永久脱毛ではないため、18~20回の施術を完了しても、いずれ毛が再生する可能性が高いです。

光脱毛の効果を維持しやすいのは、SHR脱毛。毛包にダメージを与えるため、ムダ毛の再生率は低いといえるでしょう。

IPL脱毛で弱らせた毛乳頭は自然再生が可能ですが、高温の強い光を当てるため、再生には時間がかかります。

一方、施術に抑毛ジェルを使用するSSCMや、ムダ毛の発育を抑えるハイパースキン脱毛は、ムダ毛の再生が早い可能性があります。

Q.効果が高い光脱毛を受けるならどれがいい?

A.脱毛の「効果」は、人によって理想が違うため、一概に高い/低いはいえません。

その上で、効果が高い光脱毛を選ぶなら、以下の基準を参考にしてください。

  • 脱毛を始めて早い段階で変化を実感したいならIPL脱毛
  • 長い目で見てすべてのムダ毛をなくし、その状態をできるだけ維持したいならSHR脱毛

SHR脱毛は、毛包全体にダメージを与える脱毛方法です。

現在、AGAの治療に毛包再生技術が取り入れられているように、毛の発育には毛包が大きく影響します。

その毛包を弱らせるSHR脱毛は、毛質を問わず毛を減らすことができ、その状態を維持しやすいといえるでしょう。

Q.電気脱毛の仕組みは光脱毛とは違う?

A.美容電気脱毛は、毛乳頭に電気を流し、強いダメージを与えて毛を抜く脱毛方法です。皮膚に光を照射する光脱毛とは、施術方法が違います。

施術には、プローブと呼ばれる細い専用電極を使用し、ムダ毛を1本ずつ処理していきます。

1度の施術でムダ毛を抜くことが可能で、さらにムダ毛が再生しづらいのが大きなメリットです。

痛みが強く炎症のリスクがあること、美容電気脱毛を受けられるエステサロンが少ない点が、デメリットとしてあげられます。

まとめ

光脱毛でムダ毛が抜ける基本の仕組みと、5種類の脱毛方法についてお伝えしました。

脱毛をしているのに、なかなか毛が抜けないという人も、仕組みがわかると少しは安心できるのではないでしょうか。

また、サロンオーナーは光脱毛の仕組みをしっかり顧客に説明し、納得の上で契約してもらうようにしましょう。

光脱毛は、医療レーザー脱毛に比べると効果面では劣りますが、リスクが低く安全度が高い方法でもあります。

高い効果に期待ができる最新の業務用脱毛機で施術をすることで、さらに大きなメリットも得られるでしょう。